更紗とは平織りの布にさまざまな方法で小さな柄をつけた布です。機械のプリント柄は更紗とは呼びません。
昔は手織り布が使われていましたが、近年はほとんどが機械織り。茶人が好んだ鬼更紗は手織り布に木版型で色、柄づけしたもの。
この柄付けにもたくさんの手法があります。芋を彫って作った芋版で柄をつけたものも更紗。
木版型、金属版での色、柄付け。バティクはロウで柄を防染して染める。
糊で防染する方法もある。ロウの防染も手描き、チャップと呼ばれる金属型で、ロウを押しつけする方法もある。
日本では柿渋を塗った紙に柄を切り取り、色を刺す手法が昔からある。沖縄の紅型もこれと同じテクニック
木版型染め 硬い木に柄を彫り、染料をつけて押し付ける。色の数だけ木版型が必要。インドでは18世紀この木版型染めをコルマンデル海岸地方で世界のニーズに合わせて製作、各国に輸出していた。現代でも木版型染めは作られている。染料もかっては植物染料だったが現代はほとんど科学染料。 型押しは大きな木台の上に薄い布団をおき、布を置いて押す。角は斜め半分を紙で伏せ押す。裏と表を柄付けする場合は反対柄も必要なので倍の木版型が必要。
金属版
金属はほとんど真鍮。
上のチャップは厚みがあるので硬い真鍮での製作は難しい。
これは真鍮の丸線。平板線を木に埋め込み作られている。
木版型より繊細な細い線を出すことが出来る。
布目の小さな布、シルクなどに使われる。
チャップの防染 銅の丸線、細い平板を折り曲げ版を作る。高さは4〜5センチ。裏には持ち手がつけられている。 これを熱した、液体状のロウが入った鍋に浸して布に押してゆく。版が沈み過ぎないように鍋には木が入れてある。
インドネシアバティク
ロウ防染の更紗。上記のチャンチンを使った手描き、チャップ使用の更紗。
両方のテクニックを使っているものも多い。大体30から50年前のもの。
染料はソガ染め(黄土色、茶色)などは植物染料、後は科学染料。
片面染め、両面染めがある。色の数だけロウを置いたり、取ったりする
インドネシア古更紗 テクニックは上記と同じだが100年前の古いものは
植物染料がほとんど
ペルシャ更紗パフラビ朝、1925年、近代化推進政策の一環として、 私方が取り扱っている更紗は製作禁止。 19世紀、インドでペルシャ向けに同じ柄の更紗が作られ、 入ってきていたが1925年、財政問題で輸入禁止。 したがって1925年以前のもの、色は植物染料で木版型染めの更紗。 あつかっているペルシャ更紗は95%がインド更紗です。 ただ、イランでしか見ませんのでペルシャ更紗と言っています。 インドAP州、ハイドラバドの博物館にはこのような更紗が展示されています。 このあたりでつくられたのです。 現代、イランで作られている更紗は機械織り布、科学染料染め。